大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養評価・ダイエット・健康に関するセミナー「トレーナーの為の栄養学講座」岡洋介です。

ナイアシン摂取でコレステロールや中性脂肪が低下する理由

※コレステロール関連記事はこちらこちらなど

よくネットなどでナイアシンを摂取すると脂質代謝が改善し、コレステロール値が下がると言われています。

なぜでしょうか?

肥満や炎症によりインスリン抵抗性になると、細胞内の栄養不足(糖や脂肪酸を取り込めないから)により、交感神経が活発になりノルアドレナリンやアドレナリンが分泌されます

ノルアドレナリンやアドレナリンが受容体に付くとGsというGタンパク質がAC(アデニル酸シクラーゼ)を活性化し、中性脂肪を分解して遊離脂肪酸を血中に分泌します。
肝臓での中性脂肪↑で中性脂肪リッチなVLDLが出荷される


しかし、ナイアシン(ニコチン酸)を摂取するとGiというGタンパク質がAC(アデニル酸シクラーゼ)を抑制し、中性脂肪の分解が抑制されます。→肝臓が受け取る脂肪酸が減り、出荷されるVLDLも減る

そしてナイアシン(ニコチン酸)はLPL(リポプロテインリパーゼ:血管内皮表面に存在しリポタンパク質の中性脂肪を分解する)を活性化する働きもあるので(インスリン抵抗性だと本来はLPLの活性が落ちる)、VLDLなどのリポタンパク質の中性脂肪を分解します。

まとめると、

脂肪細胞での中性脂肪の分解を抑制→肝臓が受け取る脂肪酸↓で肝臓から出荷されるVLDL↓

・LPLの活性化→リポタンパク質の中性脂肪の分解↑

により、血中の脂質が減ります。これによって動脈硬化のリスクを減らすことができます。

しかし、これはあくまで血中の脂質を減らしているだけなので、脂肪が燃焼しているわけではないのでダイエット効果とは違います。

根本原因の肥満を解決しているわけではないのです。(細かくいうとナイアシンがSIRT1という遺伝子を活性化しミトコンドリアを増やすというのもあるので間接的には痩せやすくなる可能性はありますが、結局運動しないと意味がないです。)

ですので、食後にナイアシンを摂取し、一番リスクの高い食後の高脂血漿を抑えつつ、ちゃんと運動して脂肪燃焼しましょうってことです。

ではまた^_^